こんにちは。いぬゆなです。
本日は、2018年3月19日に渋谷で行われたイベント、Dappsゲーム・ミートアップの模様をレポートします。
Dapps=非中央集権、分散型アプリケーションを利用したゲームについてたっぷりと語られたこのイベント。「儲かるゲーム」として認識されている部分もあるけど、Dappsゲームってそもそも何なの? ゲームにDappsを組み込むメリットは? Dappsゲームの現在、そして未来はどうなるのか? ボリューム満点でお送りします。
Dappsの定義と、現在のDappsゲームのトレンド
まずはイベント主催者である暗号通貨なkimさんから、Dappsゲームの現状についてのプレゼン。
- Dappsの読み方は「ディー・アップス」
「ダップス」だと思ってました。正直ダップスだと流行らないと思っていたので、ディー・アップスでよかった。なんとなくカッコいい。
- 現在Dappsゲームと呼ばれているものは、厳密に言うとすべてがDappsというわけではない
仮想通貨やブロックチェーン技術を利用しているものを包括してDappsゲームと呼んでいるようです。確かに「それってホントに非中央集権・分散型か?」と思うようなDappsゲーム(と呼ばれているゲーム)も多いですね。
厳密な定義はともかく、現状で用語として使う際のDappsゲーム=仮想通貨と関連が深いゲームくらいの認識でよさそうです。
最初に紹介されたDappsゲームはCryptokitties。2017年12月にリリースされると、すぐに大きなブームを巻き起こしました。そしてこのゲームに利用されているイーサリアムネットワークへの爆発的な負荷を生み出し、ゲームの利用者以外の送金もめちゃめちゃ遅くなる事態に。Dappsゲームの可能性と危険性を同時に認識する事件でした。
Cryptokittiesのブームを受けてか、現在ユーザー数を増やしているDappsゲームはトレード型のものが多数。ペット、モンスター、土地などを購入し、合成や強化をして売却。買った額と売った額の差額が利益になる……という流れですね。ざっくり一言で表現するなら、金が絡んだたまごっちです。
正直ゲーム性は低く、何をするにも課金が必要になるので「儲かる」という部分がクローズアップされるのも仕方がないと思います。現在の仮想通貨が投機的なものですから、その影響もあるのでしょう。
期待できるDappsゲーム四天王
そんな中、現在盛り上がっていたり今後に期待できるDappsゲームを4つ紹介いただきました。
まずはBitpet。これこそ金が絡んだたまごっちという感じなのですが、かわいらしいペットを合成したり強化したりするゲームですね。ユーザーのペット同士でレースする機能が先日実装されましたが、今後のアップデートでもっとゲーム性が高まるんじゃないかと思います!
ちなみに、Bitpetは厳密に言うとDappsゲームではなさそうです。ですがゲーム内通貨のPOPを購入するのにイーサリアムが必要なため、現状Dappsゲームのカテゴリに入れてもいいのではないかと!
お次はカードゲームのNova Blitz。現在はまだ仮想通貨/ブロックチェーン技術に関する機能は実装されていないのですが、ゲームをプレイするとそれに対応するであろうゲーム内通貨がゲットできます。
Nova Blitzがすごいのは普通にゲームとして面白いところ。マジック・ザ・ギャザリングのスタッフが参加しているらしく、相手との駆け引きやカードを収集する快感はハマる要素十分です。
そして基本プレイ無料。他のDappsゲームのように対戦するごとにお金取られたりしません。投機的価値は未知数ですが、今のうちから普通に遊んでおけばすごくレアなカードを手に入れられたりするかも。られないかも。
どちらにせよ僕のイチオシDappsゲームです!! みんなやりましょう!!
3つ目に紹介するのはイーサエモン。これはもう、完全にポケモンです。デジモンの方が近いかな? ポップな絵柄のモンスターを鍛えて戦わせるゲームです。
モンスターを鍛えるというメイン機能から何から課金が必要で、学生の収入くらいではつらいレベル。うまくレアモンスターを強くすれば高額で売却可能ですが、金銭的な敷居が高いDappsゲームの中でも有数の課金ゲーかもしれません。
逆に言えば運営の収入がかなり大きいと予想できるため、その資金でどんどん開発を進めてほしいですね。
最後に紹介するのがイーサタウン。まだ正式サービス前のプレセール中なのですが、そのキャラクターが明らかに金正恩氏とみられる男であったりすることが話題となっています。価格も30ETH(現在日本円で約120万円)を超えていますが、ゲームの内容に関する情報がないので現在の価格はほぼ投機的価値と言っていいでしょう。
日本語の公式アカウントもあり、日本のコミュニティが盛り上がりそうな雰囲気があります。断片的な情報から推測すると、キャラクターを使って土地やフロアを奪い合うゲームになりそう。早いうちに強力なキャラクターを手に入れられれば、ゲームを優位に進められるかもしれないですね。
日本のDapps市場は盛り上がるのか?
さて、ここで話題は日本のDappsゲーム市場に移ります。
- 日本発のゲームは出てくるのか?
- 無料で始められるゲームは一般的になるのか?
- ブロックチェーンのスケーラビリティ問題
- 法律の問題→仮想通貨交換業必要?賭博?
- Google PlayとApple StoreアプリはDappsを採用できるのか?
という点が挙げられました。日本発のゲームは出てくるのか? という部分に関してですが、すでに(半分)日本発と思われるクリプト陣取りというDappsゲームがリリースされています。
現在は単純な土地の売買ゲームですが、今後は合戦機能などの実装が予定されているとのこと。
その他に挙げられた部分も課題はありますが、Dappsゲームってやってみるとやっぱりハマるんですよね。仮想通貨に触れてる時間が長い人ほど、仮想通貨を動かしながらゲームを進めていく快感を感じるはず。中毒にならないよう気をつけなければいけませんし、一般化していくためのハードルはたくさんあります。
でも、Dappsゲームは僕たちがまったく思いつかないようなことが実現できる可能性がものすごくあるジャンルだと思います。今後Dappsゲームが盛り上がっていくにつれていろいろなアイデアが出てくることを期待したいですね。
edindin氏、あぶりさーもん氏による対談
ここからは、FPSゲーム好き仮想通貨ブロガーedindinさんと、好きなゲームはファンタシースターオンラインのあぶりさーもんさんが登壇。Dappsゲームにも精通しているお二人による対談が行われました。Q&A方式でお送りします。
Q.Dappsゲームは、今後どういう流れで流行っていくんでしょうか?
A.やはり最初に目をつけるのは投機的視点を持っている人です。そこから「かわいいから」とかカジュアルな方に向かっていく、というような流行り方をするのでは。
Q.現在はカードを集めたりペットを育てたりするDappsゲームが多いが、FPSやアクションゲームなどは出てこないでしょうか?
A.決済の手段として取り入れるのはあり得ます。オンラインゲームでは、システムのバグをついた不正行為でアイテムを集めて売りさばくという問題がたびたび起こります。この問題をブロックチェーン技術で解決できる部分がある。
しかしゲーム運営側としては、仮想通貨を使って利用者同士で取引できるようにするより、現状通り運営からの販売所形式のほうが儲かるし、手間もかからないというのはあると思います。
Q.ソーシャルゲームって小さいメーカーから山のように出てきて、今は有名メーカーがシェアを取っていますよね。Dappsはどうなるでしょうか?
A.同じ流れになると思います。小さいメーカーを大手が買収してしまうのではないかと。
Q.Dappsゲームにイーサリアム以外の仮想通貨は使われるんでしょうか? 現状はブラウザ上でMetamaskと同期させなければいけないですが、この手間は一般層を取り込むハードルになるのでは。
A.QTUM、LISKやNEOなど、プラットフォーム自体はたくさんあるんですが、シェア的にイーサリアムが標準になってしまいますよね。
Google PlayとApple Storeの規制が厳しいので、スマホアプリのフォーマットをリリースするのは難しく、Metamaskを使わざるをえないのが現状かと。
Q.「儲かる」という投機的な面が注目されていますが、プラットフォームになっている通貨の相場に左右されるのはどうなんでしょうか?
A.米ドルの固定相場制を採用すれば、ブロックチェーン技術を利用しつつ相場に左右されないという状況は実現できます。しかし、現状では相場の影響を受けるほうが中毒性が高まるのではとも思います(笑)
Q.あぶりさーもんさんがツイッターに自身の写真を載せるようになったきっかけは?
CC騒動で退場寸前ガタガタメンタルからのCC男前対応に感謝しながら、イベントでBCH応援してきました💡今も奮闘中のnemコミュニティの方々、コインチェックさん、仮想通貨が好きな皆さん、 応援しています!頑張って荒波乗り切っていきましょー!#BCH #nem #coincheck #仮想通貨 #暗号通貨 #おっぱい pic.twitter.com/iDaaPo0HIK
— あぶりさーもん🔯クリプトウィッチ (@aburi_salmonsan) 2018年1月29日
A.界隈を盛り上げるためには使えるものは使っていこうという……恥ずかしい!(笑)
Q.完全な日本産のゲームはこれから出てくるでしょうか?
A.日本は元締めが強いから……仮想通貨交換業取らないとダメ! って言われそうなので、二の足を踏んでいるのではないでしょうか。仮想通貨なら取引所のほうが儲かるって思われてるでしょうし。仮想通貨を決済手段にするゲームはありそうですけど、それ以上は難しそう……日本市場自体は海外からいいイメージを持たれていますし、海外資本に乗っ取られないうちに日本のDappsゲームが出てきてほしいんですけどね。
スマホゲームで、子供が勝手に課金するっていうのが問題になったじゃないですか。さらにギャンブル性、投機性が入った仮想通貨ゲーは本当に難しいなと。ガチャの確率表記義務を証明するのにも、ブロックチェーン技術はいいのかなと思ったりします。
Q.Nova Blitzはゲーム内言語が英語だけなので、日本国内で普及するのは厳しい気がするのですが?
A.日本語にローカライズしないと厳しいと思います。ただ、いま世界中で流行っているリーグ・オブ・レジェンズというゲームは当初日本語対応していないのにものすごく勢いがありました。本当に面白ければ英語でも大丈夫だと思うが、ハードルは上がります。
日本語でそれっぽいゲームが出ればいいんですけどね……グラフィックを可愛くてエロい女の子にすればいい(笑)
Q.最後に、今後のDappsはどうなっていくでしょうか?
あぶりさーもん「投機的な面で規制されなければ流行っていくと思います。個人的には音ゲーが出てくれればいいな~」
edindin「僕も流行ると思っています。現状はゲームと言えるようなシロモノじゃないので(笑)面白いゲームが出れば一気に勝てる。みんなそう思ってるからすぐ戦国時代に突入するので、やるなら早くですね」
レポートは以上です! Dappsゲームはソーシャルゲームブームに匹敵するブームになってもおかしくないと個人的には思っております。Dappsゲームの今後に期待です!