2018年1月28日、六本木Speee Loungeで行われたNEMミートアップJAPAN in 東京。NEMの公式活動として認められているこのミートアップは、NEMコミュニティの親睦を深め、NEMを普及させ、技術/投資リテラシーを高めることが目的です。
NEM財団のジェフ・マクドナルド氏と中継でのトークセッションも予定しており、Nember=NEMファンは参加せざるを得ないイベント。チケットは1日で完売ということで、その注目度がわかります。
Coincheckでのハッキング事件もあり、Nember以外の関心も高いであろうこのミートアップ。バッチリ参加してきましたのでレポートします。
おみやげをもらい、即堕ち
会場に入ると、特製のNEMカードケースやステッカー、NEMの概要が書かれた冊子をいただきました。ぐっ、俺がこんなモノで釣られるわけが……(カードケースにSuicaを放り込み、ステッカーをPCに貼りつけると)NEM最高!!
即刻買収されましたが、なにしろ会場の雰囲気がオシャレでいい感じ。しかもここにいる人全員NEM好きなんでしょ? そりゃ僕もコロッといっちゃいますよ。
まあそれにしたって堕ちるのが早すぎますが、ミートアップではNEMの基本的な説明、投資材料についての周知、技術的なポイントの解説などが行われるとのこと。モノに釣られたクソ野郎ではなく、本当のNEM好きになるかどうかはそれ次第ですよ。厳しく見ていきますよ。
Nember重鎮からのメッセージ
まずは、今回のミートアップを主催するNEMミートアップJAPANの代表、ザ・ニンヂャ氏の挨拶。
「日本でNEMのコミュニティが広がりだしたキッカケのひとつとして、松本一将さんという方がいらっしゃいます。彼はキャッシングで50万借りて全額NEMに突っ込んで、いきなり値段が2倍になったんです。松本さんはそこからNEMが大好きになり、NEMのうちわを勝手に作って、配り始めました。僕も配布を手伝いに行ったんですが、遠いところからうちわをもらいに来てくれる人もたくさんいました。このコミュニティすごいんじゃないかと思ったんですが、NEMについて話し合う場所がない。そういう場所で人が繋がるといいな、というところから始まったのがNEMミートアップです」
続いて、タヌ神氏からのスペシャルメッセージが読み上げられました。
「日本国内に徐々にNEMが広がっていることを感じ、とても嬉しく思っています。何か得体の知れない魅力がある、それがNEMなのかもしれません。NEMは当初、New Economy Movementの頭文字を取ってNEMと呼ばれていました。しかし現在の正式名称はNEM。NaにかE体のShiれない魅力、頭文字を取るとNEMです。今日のミートアップを通して、あなただけのNEMをぜひ発見していただけたら幸いです」
僕にとってのNEMも考えました。
NoんだくれてEいえんにMaどろんでいたい、でNEMです。
さらに、NEM情報をめちゃ詳しくめちゃ早く発信するINSIDE NEMのアレックス氏から「NEMコミュニティへようこそ。このコミュニティはマジすごいぜ」みたいなことを言ってる動画メッセージが流されました。これ録音はしてたんですが、日本語は字幕表示だけだったんで録音を何度聞き返しても全部英語。GOXです。英GOX。すみません。
NEM勉強会・基本編
ここからは勉強会タイム。まずはMasaNEM氏によるNEMの解説・基本編です。
NEMブロックチェーンの活用方法は支払いだけではなく、身分証明書や、土地の権利証明、車の登録など、さまざまな用途に使用することができます。
- ネームスペース(インターネットのドメインのようなもの)を取得し、モザイク(独自のトークンなど)を発行可能。
- アポスティーユ(公証システム)。著作権、不動産登記、特許などの管理に使われることが期待できる。
- マルチシグ(マルチシグネチャ)機能。送金に複数人の承認が必要な共有ウォレットを作れる。
- ブロックチェーンを使用した投票機能。1人1票の投票と、PoI(重要性スコア)によって1票の重みが変わる投票が可能。
- ハーベスト(NEMにおけるマイニング)。1万XEM以上を専用ウォレットに送金することで報酬を受け取れる。
こんなにいろいろできるの……? やだ、惚れそう……
マルチシグはCoincheckの盗難事件に関する報道でも頻出した言葉ですね。このあとの技術編にも出てくるのですが、ここで解説してしまいましょう。
NEMのマルチシグ(マルチシグネチャ)機能とは?
この図のように、1つのNEMウォレットをみんなで管理する機能のことです。これの何が便利なのか?実例で考えましょう。
Aさん、Bさん、Cさんがマルチシグを使って1つのウォレットを管理します。2人以上の承認がなければ送金できない設定にすれば、誰かが勝手に送金することはできませんし、1人がハッキングされて秘密鍵を盗まれても不正送金はできないということになります。横領などのリスクも軽減できますね。
CoincheckがNEMのマルチシグを導入していれば、盗難は防げたかもしれません。(もちろん、マルチシグを導入していても盗まれた可能性はあります)
NEM勉強会・投資編
続いて、トレスト氏によるNEMの解説・投資編。NEMのネットワークを活発にしていき、XEM(NEMの通貨単位)を底堅くしていくであろうイベント、プロジェクトを紹介してくれました。いくつか抜粋します。
まずは、やはりカタパルト(NEMの大型アップデート)。内容は大型すぎて書ききれません。マジで大型。2月中には実装されるという話ですから、めちゃくちゃ注目しましょう。
そして、マレーシアに建築中のNEMブロックチェーンセンターも2月中には完成するとのこと。
めちゃオシャレ。ブロックチェーンテクノロジーコミュニティのハブとコワーキングスペースを提供する、世界初の非営利団体。ブロックチェーンエコシステムの教育、採用、成長を促進支援し、起業家やスタートアップにリソースを提供する目的があるとのこと。横文字が多いですが、つまり拠点ってことですわ。
次に取引所関係の話。国内の仮想通貨取引所でNEMの現物取引が行えるのはZaifとCoincheckのみ。海外取引所を含めても20程度と、時価総額に対して取引できる場所が少ないことは、伸びしろと言うこともできます。また、NEMベースの取引所の開設準備が進んでいるとのこと。そこではNEMモザイクチェーンベースのトークンも取引可能になるということで、一気に盛り上がりそうな気がしますね。
さらには、ロシアの取引所Zeus(ゼウス)がこれまたすごい。NEMを使って世界中の株が買えるようになるっていうんです。本当ですか奥さん? もはや異次元の話じゃないですか。
その他、NEMに関するプロジェクトはとんでもない数あります。NEMブロックチェーン技術を使った無人エアタクシーVIMANA。映像メッセージアプリbackchannel。日本発のICOソリューションCOMSA、Bankera、Xarcade、QchainにDimcoin、LoyalCoin、Ecobit、あとNEMグローバルハッカソンで二次選考に残っているFarmNem、NEM-KYU、CFUN、NEMGOなどは日本発で……いやもうこれ、その他でくくるの、無理ありません?
どんだけいろいろあるんだよNEM。ワクワクが止まらないだろうが。
さて、ボリュームありすぎるので前編はココまで! 後編では勉強会・技術編、NEM財団副代表のジェフ・マクドナルド氏とのトークセッションなどについてお送りします。
Coincheckハッキング事件についても言及された貴重なセッションとなりました。今後恒例にしていきたいと思っている懇親会の食レポもありますので、お楽しみに!!