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バイナンス、人民元建てのOTC取引サービスを「一ヶ月以内に開始」
仮想通貨取引所バイナンスの共同創設者He Yi氏は上海のブロックチェーンイベントにて、以下2つの重要発表を行ないました。
- 人民元建てのOTC取引サービスを「一ヶ月以内に開始」
- 本家バイナンスで、法定通貨による仮想通貨の購入決済サービスを170ヵ国に拡大する方針
人民元建てのOTC取引サービス
Yi氏は、人民元建てのOTCサービスが今後中国市場に注力するバイナンスの事業戦略の一環であると説明しました。実際、人民元建てのOTCが実現すれば、中国マネーの流入促進が期待できる動きとなりそうです。これまで、バイナンスのOTCではテザー(USDT)建てのみ提供されているため、人民元をテザーに変換する必要がありました。
2017年のビットコインバブル相場では、9割の資金が中国人投資家の人民元によるものと見られていました。しかし、中国政府が2017年9月より国内における仮想通貨取引、ICOなどの仮想通貨関連活動を全面的に禁止しているため、バイナンスはもちろん、いわゆる「3大取引所」も中国市場から撤退せざる追えませんでした。
取引所自体はIPアドレスの封鎖でアクセス不可能になっていますが、VPNを利用する投資家は依然として取引を行なっています。しかし、銀行からの送金ができなくなったため、テザーの取引ペアで取引をしています。なお、OTC取引も同様に水面下で行われているようです。
今回、バイナンスの役員が上海で取引業務に関して発表すること自体に重要な意味があります。本来、中国政府はカンファレンスなどパブリックの場で仮想通貨取引に関わる宣伝活動を行うことを禁止しています。
バイナンスなどの取引企業も基本、中国ではこのような発言を行なっておりませんでした。今回の発表に至った経緯は明確ではありませんが、「中国市場に注力する事業戦略」との発言から、おそらくバイナンスが中国当局と繋がりがあるのではないかと業界は推測しています。
さらに先日、バイナンスは中国の仮想通貨メディア「火星財経」に出資し、中国の企業に対する初の投資となりました。このような展開から、バイナンスが今後どのように中国の仮想通貨市場を活性化していくか、注目です。
法定通貨による仮想通貨の購入決済サービスを170ヵ国に拡大する方針
以前より、バイナンスは複数の銘柄に対応するクレジットカードとデビットカード決済を開始していましたが、クレジットカードの種類によっては利用できない地域もあります。
バイナンスがその他の決済サービスを導入することによって、より多くのバイナンスのユーザーは直接プラットフォーム上で主要銘柄を購入することが可能となります。
参考CoinPost
フィリピン:セブンイレブンから仮想通貨購入アプリへの資金チャージが可能に
モバイル投資アプリを手がけるAbraは、フィリピン全土のセブンイレブンストアで仮想通貨購入サービスへの入金が可能になったことを発表しました。
Abraは、キャッシュレス決済サービス「ECPay」とのパートナーシップ提携を締結。フィリピンのAbraウォレットユーザーは、ECPayの持つ6,000の加盟店において、お金をウォレットにチャージし、仮想通貨を購入する機能が利用可能。
加盟店には、フィリピンで事業を展開するセブンイレブンの3,000以上の店舗も含まれています。
セブンイレブンを含む加盟店ではデジタル決済サービスCLIQQの専用端末が備え付けられており、現金をチャージし、仮想通貨の購入が可能になります。
仮想通貨は、数日でAbraウォレットにチャージされる仕組みで、最小の預入額は500ペソ(日本円にしておよそ1,000円ほど)、限度額は1日10万ペソ(約20万円)に設定されています。
フィリピンは海外への出稼ぎが盛んなことから、世界的に見ても国際送金の需要が非常に高い国となっているようです。そのため、フィンテック企業が相次いで進出し、低い手数料で送金が行えるようなサービスを展開しています。
Abraは、銀行口座を介さないチャージ方式が追加されたことで、利用の普及を狙う格好です。
参考CoinPost
通貨発行権は政府に バイナンスが明かす世界的仮想通貨計画「ヴィーナス」
仮想通貨取引所バイナンスが新たに発表した独自通貨「ヴィーナス(Venus)」について、政府のコントロール化に置かれる仮想通貨とする方針を示していることがわかりました。
ヴィーナスの通貨システムについて、仮想通貨を担保する方法や仮想通貨の発行量は政府が決めることができると、同社のコンプライアンス責任者であるSamuel Lim氏が明かしています。中央銀行が仮想通貨の裏付けとなる法定通貨をどの程度金庫に準備しておくかなど、通貨システムの根幹を担うことができる仕組みになるとのこと。
これは、バイナンスは仮想通貨を創造するためのプラットフォームとなるブロックチェーン技術を、政府に提供、ヴィーナスを自社運営する目的ではないことを意味しています。
同氏は、これらの取り組みを経て、リブラの強力なライバルになる存在になる可能性もあると見ています。
先月にも、同社CEOのChangpeng Zhao氏が、ヴィーナスはリブラと共存し、助け合う関係にもなるとツイートしたことは記憶に新しいですが、Lim氏は「リブラに対する強力な競争相手」になる可能性もあるとの見解を明らかにしています。
世界的に、通貨基準が置き換わる可能性が危惧される中で、政府が通貨主権を握れるヴィーナスは、リブラと大きく異なるステーブルコインの仕組みであると説明。
特にインフレ懸念がある発展途上国では、その国の法定通貨ではなく、米ドルを中心に裏付けられるリブラを選ぶのではないかとの見解もありますが、ヴィーナスではそれら発展途上国に新たな付加価値も提供するとのこと。
小さな国の国民や、銀行口座を持たない人々が、モバイルテクノロジーの力で国際的な流動性のプールへと導き、世界市場への橋渡しを実現。
これらの方針のもと、「ヴィーナス」は最初に欧米諸国以外での発行を予定。バイナンスは現在、主に発展途上国の中央銀行や規制当局に働きかけているとのこと。
参考CoinPost