バイナンスリサーチによる最新レポート
取引所Binanceの研究部門「バイナンスリサーチ」は仮想通貨市場に関する最新レポートを公表しました。
調査チームは、各仮想通貨の連動性(2018年3月〜2019年3月)を調査し、ビットコインやイーサリアムといった主要通貨は、かなりの高確率で価格が連動しているとの結論に至っています。そのためビットコインやイーサリアムは同様の市場トレンドを追随。両通貨に投資を行う投資家は、同じようなリスクを持つことになります。
一方で、XRP(リップル)は、前述した2通貨との価格変動の相関性は弱く、分散投資といった観点からはXRPが適していると同レポートは伝えています。ただ、前回のレポートでは下落リスクがXRPを含むアルトコインまで波及する可能性について指摘しており、今回とは違った見方がなされています。
また、特異な特徴を見せた通貨もあります。以下の4つです。
- Bitcoin Gold
- Bitcoin Cash
- Ethereum Classic
- Litecoin
これらの通貨の特徴に、その他の通貨が影響を受ける事象にあまり影響されない事があります。例えば「バイナンス効果」や「コインベース効果」など、特定の取引所に上場されるか否かが価格変動に影響を及ぼすことが多いですが、上述した通貨には大きな影響が見受けられなかったとのこと。
調査チームは、前回のレポート公表時(3月20日)に比べ、仮想通貨市場全体の価格連動が強まりを見せている点について、ステーブルコイン取引高の増加とそれら取引ペアの増加が影響していた可能性が高いと言及しています。
参考CoinPost
ビットコインに非投機的な動きを観測
仮想通貨融資や投資を行う米大手Genesis Global Tradingは、およそ4億2500万ドル(約474億円)の価値に及ぶ融資(ローン)をビットコインで行っていたことを最新のレポートで明かし、現在およそ3万BTCを貸し出していることが判明しています。
また同サービスは機関投資家・大口投資家に特化しており、2018年3月のサービス開始以降、すでに15億ドル(約1700億円)に相当するビットコインを貸し出しています。
GenesisのCEOを務めるMichael Moro氏は、この新しいレンディングサービスは、仮想通貨市場に流動性をもたらし、市場の成熟化に貢献するだろうとしています。また同氏は開示したデータをもとに、市場の状況について、以下のように述べています。
ETHやライトコインのようなアルトコインでは空売りが多く見受けられる傾向にあるが、ビットコインは運転資金や送金といった非投機的な目的で使用される傾向にある。なお、大多数のアルトコインはビットコインより流動性も取引高も低い。
同氏は、こうした状況に至る原因に、アルトコインがビットコイン価格に追従する点と、ビットコインに比べ価格が大きく変動する点にあるのではないかと考察。この点に関しては、価格の急騰急落の際、イーサリアム(ETH)が主導する事例は多く見受けられます。
また同レポートでは、2月に価格が一時急騰した際を例に、ショートポジションにおける通貨ごとの行動パターンの違いについて言及。例えば、ETHにショートポジションを入れていた投資家は全体市場が上昇する際に、そのショートポジションを手仕舞うが、ライトコインでは手仕舞うタイミングがETHよりも早かったという。
言い換えると、ライトコイン取引を行っていた投資家のほうが、一足早く適切な投資判断を下していたということになります。
この違いについて、レポートでは「アセットの理解度や情報量に差があるためではないか」としており、アルトコインの情報量などがビットコインよりも乏しく、いわゆる「パンプ&ダンプ」にされやすい傾向があると考えられます。
このようなポジションの切り替えタイミングの差から、ビットコインはアルトコインよりも「非投機」的な特徴が見られると結論付けられています。
参考CoinPost
バイナンス、仮想通貨COSMOSの上場を発表 40%超の高騰を記録
#Binance Will List Cosmos ($ATOM)https://t.co/mlT0YSub8I pic.twitter.com/48BWZW9coL
— Binance (@binance) 2019年4月28日
最大手仮想通貨取引所Binanceは、仮想通貨COSMOS(ATOM)の上場を発表。
ATOM/BNB、ATOM/BTC、ATOM/USDTの3つの取引ペアで、日本時間4月29日13:00より取引が開始。
ATOMの預け入れについては現時点ですでに可能となっています。
米著名大MITなども手がけているCOSMOS(コスモス)は、複数のブロックチェーンを接続することによって、それらブロックチェーン間の相互運用性とスケーラビリティの向上を実現するプロジェクトです。「Internet of Blockchain(ブロックチェーンのインターネット)」を掲げ、コンセンサスアルゴリズムPoS(Proof of Stake)を採用しています。
昨年4月に実施されたICOでは、およそ27分で1700万ドル(約19億円)のハードキャップを達成。先月メインネットがローンチし、今後も期待されるプロジェクトとして注目されます。
また、今回の上場発表を受けてCOSMOS価格は高騰し、前日比一時40%以上の価格上昇を記録しています。
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