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OTC取引とは
OTC取引とは、店頭取引を意味する「Over The Corner」の略語であり、売買取引を行う当事者同士の直接取引を指します。
仮想通貨取引所は仲介に入る場合、と入らない場合がありますが、一般の取引所の板取引とは異なるため大口投資家などが多く利用する取引方法となります。
現在仮想通貨OTCデスクを提供する企業としてはCumberlandやGenesis、Circleなどが、大口投資家向けに展開しているほか、多くの取引所でも取引が行われています。
Ari Paul氏がOTC取引を解説
暗号資産運用会社BlockTowerの共同設立者であり、過去にはシカゴ大学でポートフォリオマネージャーを務めた経験をもつAri Aaul氏が、ツイッターでOTC取引について解説。以下は同氏の見解をまとめたものになります。
仮想通貨取引の25~50%はOTC取引で、OTC取引は交換における代替的な手段の1つであるとしています。
OTC取引のメリットがあるのは大口取引における場合
3000万ドル相当のビットコインの売却を仮定し、それらについて説明しています。
- 取引所よりも良い価格での取引が可能
- 取引履行までの利便性
- 取引所のセキュリティリスクやカウンターパーティリスクの回避
まず、1の「取引所よりも良い価格での取引が可能」についてですが、3000万ドル相当のビットコインの売却といった多額の取引においてはOTC取引の方が、当事者双方にとって取引所よりも良い価格での取引が可能であるとしています。
その理由は、取引所での取引ではその規模になると価格変動を起こしてしまい、結果的にその影響を自身が受けてしまうから。その点OTC取引では、そのような価格変動なしに安定した価格での取引が可能です。
なお、少額の取引については、その取引によって価格変動を起こすといったことはないため取引所の方が適切であるとしています。
2の「取引履行までの利便性」については、OTC取引を利用すれば3000万ドル相当といった多額の取引でも1か所のプラットフォームで履行が可能である。
もし、その規模の取引を取引所で行うとすると、1か所の取引所で処理しきれなかった場合は複数の取引所を経由することになえい、そのような場合3つ以上の取引所を経由する必要があるとしています。
OTC取引の場合はそのような手間を省いての取引が可能です。
3の「取引所のセキュリティリスクやカウンターパーティリスクの回避」は、1か所のみでの取引履行からなるセキュリティリスク、そして取引所に資産を預ける必要性のないことによるカウンターパーティリスクの回避です。
OTC取引の場合は取引当事者同士の直接取引となるため、取引所への資産のデポジットは必要ありません。
その点取引所で取引をする場合、資産を預ける必要性、また上で述べたように複数の取引所を経由する必要性からそれらのリスクが生じます。
OTC取引の場合はそれらリスクの回避が可能となり、特に多額の取引においては非常に重要な要素となります。
OTC取引のデメリットとは
売りが多いときと買いが多いときと波があり、売り手と買い手のバランスがとられていないことも少なからずあるということ。
もし売り手が多く買い手とのマッチングが上手く機能しない場合、結局OTC取引を希望していた売り手は1、2日以内に取引所での売却に流れます。
OTC取引においてもそのようなイグジットの際のリスクがあるとしています。
参考CoinPost
RiotX、SECの規制に則った仮想通貨取引所の開始を計画
米国上場企業Riot Blockchain社は、子会社RiotXにて、銀行業、取引所、デジタルウォレット業を主要業務とする取引所を開始することを証券取引委員会(SEC)への申請にあたり明らかにしました。SEC への申請書によれば、新取引所の運営は子会社RiotX Holdingsが行うとのこと。
同社は2017年10月にBioptixからRiot Blockchainに社名変更。それまで20年間従事していたバイオテクノロジーから業務を仮想通貨のマイニングに切り換えた。その後仮想通貨の取引会社を買収し、2018年3月には仮想通貨取引所の設立を計画し、仮想通貨業界参入を行なっています。
不正な仮想通貨取引を阻止するためのシステムを準備
RiotX社の銀行業については、ソフトウェアプロバイダSynapseFiが開発したアプリケーション・インターフェイス(API)を採用する予定。
ユーザーは、米国内の認定銀行機関に紐付いた口座を作成することにより、法定通貨もしくは暗号資産の保有と譲渡ができるようになります。このAPIはユーザーの場所と身元を追跡し、RiotX取引所での不正行為や不適切な使用を防ぐ。
例えば、仮想通貨取引所が認められていない州で利用しようとするユーザに、制限地域であることを指摘するなど。
『SynapseFi』のアプリによりユーザーがどこからRiotXにアクセスしようとしているかを認識することでき、ユーザーが仮想通貨の取引が許可されている州へ、許可されていない州から移動して利用するといった行為も禁止できるようです。
RiotX社は最終的には2019年末までにほぼすべての州で営業すること目指す。同社によると登録時にすでに5つの州で承認を得ているとのこと。
参考CoinPost
国際送金手段としてステーブルコインに銀行から需要あり
IBMのブロックチェーン部門トップのジェシー・ルンド氏が、銀行を対象としたステーブルコインはテクノロジー大手にとって、ブロックチェーンベースのクロスボーダー(国を超えた)決済ソリューションを展開する際の主要な開発ターゲットになるだろうという見方を示しました。金融ニュースチャンネル「チェダー」のルンド氏インタビューで発言しています。
ルンド氏は「市場の需要」が、IBMにとって、金融機関向けに安定したステーブルコイン用システムを開発する後押しになっていると語り、さらに「世界中の多くの銀行が、自国の法定通貨でステーブルコインを発行することで、すさまじい利益を得られると考えている」と明かしました。
またルンド氏は米大手銀行のJPモルガン・チェースが開発した、米ドル建ての独自デジタルコイン「JPMコイン」と、IBMのソリューションとの違いについて次のように答えています。
「IBMのソリューションは、JPモルガンのような独自コインではないものの、JPMコインは我々にさまざま検証の機会を与えてくれている。ステーブルコインに対する我々の見解は、より広くアクセスできるべきというもので、同時にワールド・ワイヤーで、金融業界にデジタル資産の代替性(ファンジビリティ)を提供することを探っている。」
ワールド・ワイヤーとは、仮想通貨ステラ(XLM)ネットワークを使ったIBMのクロスボーダー決済システム、「ブロックチェーン・ワールド・ワイヤー(BWW)」のことです。
また、銀行間のリアルタイム国際決済の実現が目的のBWWと並び、IBMはXLMベースの米ドル建てステーブルコイン発行のため、金融テクノロジー企業ストロングホールドとも提携。
ルンド氏は2019年2月、越境決済を革新する重要な要素としてIBMがステーブルコインに関心があることを示し、「クロスボーダー決済手段を提供できる様々なデジタル資産を備えたエコシステムが存在するべき」と提案しています。
参考コインテレグラフ