世界屈指のビットコイン長者で知られるウィンクルボス兄弟の経営する仮想通貨取引所ジェミニは25日ナスダックと提携したことを発表しました。
ナスダックの技術を使うことで市場操作による影響を緩和
ジェミニはナスダックと提携して、BitcoinとEthereum取引の市場監視を行うことを発表しました。
ナスダックが仮想通貨取引所とこのような提携を結ぶのは初めてのケースです。
市場監視にはナスダックの『SMARTS』という技術が用いられ、これによりジェミニで異常な取引があった場合、それを素早く検知して、不正な操作などによる市場操作から市場への影響を減らす効果が期待できます。
SMARTSは現在45の市場と17の規制当局においてすでに使用されている技術で、ナスダックは「攻撃的または無秩序な取引を自動的に検出、調査、分析する技術である」と述べています。
市場操作は仮想通貨の成長を妨げる
仮想通貨が今後も成長していくには、今まで以上にたくさんの人が活発に売買をしていく必要がありますが、そのためには安心して取引できる環境が求められます。
仮想通貨は株などの既存の金融商品に比べて、コインチェックでの盗難事件やBinanceでのAPI不正操作など、不正な取引でのトラブルが多いと言えます。
こうしたリスクを気にして、仮想通貨の投資をためらっている方は少なからずいるでしょう。
取引所がしっかりと対策をすることで、投資に踏み出す方が増えていくと思われます。
ナスダックCEOは同日、「仮想通貨は今後も存続していくと信じており、そうなれば将来的にナスダックは仮想通貨取引事業に参入する可能性がある」という旨の発言をしているので今回の提携はその第一歩なのかもしれません。
仮想通貨がハイリスクで怖いものから株のように一般的なものへと変わるための健全な市場づくりは今後もつづいていくものと考えられます。