証券取引等監視委員会は29日、仮想通貨投資という名目で41億円を集めた無登録業者2社に対し、裁判所を通して業務の差し止め申し立てをしました。集めた資金は実際には仮想通貨の投資に使われていませんでした。
週5%の利子がでるポートフォリオコイン
証券取引等監視委員会は29日、東京・港区の「オレンジプラン」と福岡市の「ゴールドマイン」の2社に対して、業務の差し止め申し立てをしました。
この2社は2016年11月から、「ポートフォリオコイン」と称した金融商品を販売しており、集めた資金で海外の仮想通貨投資ファンドに投資し、運用益を週5%の利子で分配するとうたっていました。
集めた総額は約41億円にもなりましたが、実際には仮想通貨投資は行われておらず、そのまま26億円が配当にあてられていたとのことです。
増加する仮想通貨トラブル
仮想通貨関連のトラブルは急激に増加し2017年に消費者生活センターに寄せられた相談は約2600件にも及びました。これはその前の年の3倍にもなります。
内容はハッキングなどにより仮想通貨が盗まれたといったものや怪しい投資話を持ち掛けられたなど多種に及ぶようです。
もっとも多いのは他人を投資話に勧誘して報酬が支払われるマルチ商法に加入して仮想通貨を購入してしまったというケースで相談件数の約半数がこれにあたるとのことです。
今回の件以外にも似たケースは多く確認されており、取り締まりの強化が進んでいくと思われます。