三菱東京UFJと三菱商事は海外送金にリップルのネットワークシステムを使用するテストを今月中に行います。既存の方法に比べ、送金にかかる時間は数日から数分に、手数料は3割程度に削減できる見込みです。
時間もコストも大幅削減
三菱UFJと三菱商事はリップルのシステムを用いた海外送金のテストを今月に開始すると14日、読売新聞が報じました。
このテストはタイのアユタヤ銀行の口座から、イギリスの大手金融機関スタンダード・チャータードのシンガポール拠点に設けた口座にシンガポールドルを送金します。
各国の金融機関が参加する国際銀行間通信協会(SWIFT)のネットワークを使用するのに比べ、複数の銀行を経由する必要がなく、送金にかかる時間は数日から数分に、手数料は3割程度削減できる見込みとされています。
使用されるのは、あくまでリップルの「システム」で「XRP」ではない
今回の実験に使われるのはあくまでリップル社のシステムだけであって、リップル社が発行する仮想通貨XRPは使われません。
リップルのシステムを使うだけでこれだけの時間とコストを削減できてしまうため、わざわざ仮想通貨を使う必要性が低いと判断されていることが理由と考えられます。
これはリップルに限った話ではなく、ブロックチェーンをはじめとする「技術」は注目され、採用する国や企業は増えてきているものの、仮想通貨自体が採用される例はそれに比べて少ないです。
インフラの整った法定通貨に比べてどのような優位性を出していけるのかが(ブロックチェーンだけでなく)仮想通貨が普及していくためのカギと思われます。