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MoneyGramがxRapidを活用
Ripple社とMoneyGramは、7月に新たなパートナーシップを発表しました。重要な点はMoneyGramがバックエンドでRippleのxRapidプラットフォームを使用している点です。
従来のMoneyGramのモデルは、顧客が販売時点でお金を預け、エージェントが別の販売時点で現金を支払う「差金決済」モデルで、同社は毎晩2か所のエージェント間で決済し、2市場間で現金を物理的に移動していませんでした。
「Ripple社には大規模な分散型のブロックチェーン技術があり、XRPのような興味深い暗号コインは数秒で国境を越えることができます。彼らが持たないのは、フィアットのグローバルな流動性プールです。しかし、私たちは世界中に資金プールを持ち、そして当社のスピードは事前調達と先立ってお金を動かす能力によって実現します。」
「片方のシステムは非常に高速ですが流動性が不足しており、他方のシステムは大量の流動性を備えていますが本質的に低速です。ブロックチェーンを使用すると、突然、お金を高速で移動できるようになります。」
ホームズは暗号通貨が現金市場の競争相手になる可能性があると考えていると述べています。
「仮想通貨が法定通貨にトランジットできる場合、現金市場を瓦解させる可能性があります。ほとんどの政府はそれを理解していますが、同時にそれを恐れています。政府がシステムに現金を持ちたくないのと同じくらい、彼らは自国の通貨ではない仮想通貨についても恐れています。それは彼らがコントロールできない通貨です。中央銀行や政府は、どうすれば国を管理・運営できるだろうかと不安な思いをしています。」
先月の決算報告で、MoneyGramは、RippleのXRPベースのクロスボーダー決済ソリューションxRapidを既に実装し、活用していることを明らかにしています。
New (and notable) data shows that although overall XRP trading volume was down nearly 65%, XRP/MXN volumes on Bitso went up more than 25% - during the same period of time that MoneyGram payments into Mexico using XRP went live. A real use case driving real volume. pic.twitter.com/IFR84PBlwR
— Breanne M. Madigan (@BreMadigan) 2019年8月23日
Rippleのグローバルな機関市場チームの責任者であるBreanne M. Madigan氏は、MoneyGramは現在、XRPを使用してメキシコに「リアルなボリュームを動かしている」とツイートしています。
参考cointyo
法定通貨による仮想通貨ビットコイン購入と少額決済完了までわずか数秒、ライトニング基盤の新サービスが登場
仮想通貨ビットコイン(BTC)用ウォレット「Zap(ザップ)」を展開しているザップ・ソリューションズの創設者ジャック・マラーズ氏は9月19日、ライトニングネットワーク(LN)を利用し、法定通貨によるBTC購入からBTC少額決済(マイクロペイメント)までを数秒間で行えるサービス「オリンポス(Olympus)」(ベータ版)を発表しました。「fiattolightning.com」で登録が行えるほか、米国内対象に数ヵ月後に正式に公開することを目指しているとのこと。
LNは、BTCのスケーラビリティー問題や手数料高騰問題を解消する技術で、BTCのブロックチェーンネットワーク(オンチェーン)を介することなく、二者間での取引を行える小額決済を可能にします。また、LN普及によるプライバシーの改善を期待しているビットコイン開発者もいるようです。
オリンポスは、Zapをはじめ、さまざまなウォレットから呼び出せる外部サービスとして開発。ユーザー登録、決済処理、市場リスク管理、BTC移動などを行えるようです。ウォレットユーザーにとってはオリンパスはあくまでオプション機能であり、オリンパス利用者のみKYC(本人確認)やAML(アンチ・マネーロンダリング)対策への準拠が必要となるそうです。
また、LNを利用した少額決済、オンチェーンの資金とオフチェーンの資金を交換する「サブマリンスワップ」、オンチェーンからの(LN上への)移動などの方法でBTCを扱えるとのこと。即時に少額決済まで行えるように、ギフトカード購入サービス企業「ビットリフィル(Bitrefill)」が採用し注目された「ターボ・チャネル(Turbo channels)」を利用。
マラーズ氏は、LNを利用する際、法定通貨でBTCを購入してから、LN上にBTCを移動させて実際にチャネルを介して決済を行うまで、多くの手順が必要な点を問題視。しかし、銀行口座に連動しているデビットカードを使ってBTCを購入し、さらにLNを使った少額決済までを手軽に行えるアプリやシステムを構築するには、BTCやLNの技術的な知識、仮想通貨関連法令・規制の知識、市場や取引およびリスク管理などさまざまな専門知識と対応能力が必要な点を指摘しています。
同氏は、「BTCを利用したことがない者でも、デビットカードでBTCを購入、LN上に直接移動させ、少額決済を行うまでを数秒間で行えるようになるはずだ」と説明。
仮想通貨取引所コインベースや仮想通貨決済のビットペイなど大手企業の対応を待つしかないのかと疑問を投げかけ、約1年前にオリンポスの開発に着手したことを明かしています。
「コインベースとビットペイがLNをサポートするのを待つのか? ゴールにたどり着けるようになるまで、クローズドソースのエリートに任せるのか?」
参考コインテレグラフ
リブラの開始目処に変更なし 2020年の開始へ規制当局との対話継続
リブラのローンチ日程が、これまでの予定通り来年2020年に据え置かれることがわかりました。
リブラのウォレット開発を行うフェイスブック子会社「カリブラ」のCEO David Marcus氏が、スイスの大手メディア「ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥング(NZZ)」のインタビューで明かしています。
各国政府から規制準拠の要請、また禁止も視野に入れた厳しい見解が示されているリブラプロジェクトですが、Marcus氏は「リブラの開始目標は来年で変わらない」と見解を語り、プロジェクトのローンチに前向きな見通しを示しました。
「今はすべての質問に適切に回答し、適切な規制環境をつくること、そしてカリブラのウォレットの完成に向けて動いており、今年だけでもまだやることはたくさんある」と回答。具体的には、法令への批准に加えて、リブラ協会の運営の開始、責任あるマネージングディレクターの任命、多くの関心のある潜在的なメンバーの受け入れなどを挙げています。
Marcus氏は、規制当局の批判的な見解について、「最終的にはコミュニケーションの問題」と発言。世界中に点在する金融サービスへのアクセスがない人々が存在する国において、リブラネットワークへの参加がどれほど潜在的な有益性を含んでいるかを規制当局と対話を重ねることで、理解を促していくことが重要であると説明。
また、コミュニケーションを重ねることで、法的な懸念に対する解決案の提示を促進することも可能であるとして、FINMA(スイスの金融市場監督局)のみならず、リブラに関連するすべての機関と対話を進めていると回答しました。
なお、今週開催されたBIS(国際決済銀行)の会合に参加した、G7諸国のワーキンググループとのディスカッションも、近日で控えているとのこと。
銀行のリブラプロジェクト参加にも言及
インタビューでは、現在のところプロジェクトの参加メンバーに銀行がいないことへの指摘もありました。Marcus氏は「意図的であって意図的でない状況だ。」とコメントし、以下のように続けています。
基本的に、メンバーになることへの関心は世界的に高いが、金融機関の場合、まず第一にメンバーシップがもたらす規制上の影響や懸念を理解したいと考えている。
リブラに新たなメンバーが加わることで、多くの銀行が加盟する可能性は高くなる。
規制当局との対話姿勢を示しつつも、プロジェクトの進行状況で予定変更を否定したリブラプロジェクト、規制当局との折り合いがつけば、銀行などの金融機関の参画にも見通しがつくと考えているようです。